センター試験廃止で新しい「共通テスト」のプレテスト、2017年11月に開催

こんにちは、理系子育て案内人のなごみです。

 

大学までエスカレータで進学でき、内部進学率も高い早慶付属校などは、あまり関係ないかもしれませんが、

国立大附属校や中高一貫校を含む、大学進学を希望する高校生のほとんどに影響があるのが、センター試験の動向です。

センター試験は、2019年度(今からたった2年後!)をもって廃止される予定で、

2020年度(2021年1月終わり~2月初め予定)からは、新しい「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が実施されることになります。

 

<参考記事:センター試験がなくなるって本当?!2020年の大学入試改革でだれとく?

 

その共通テストの本格的な導入を前に、今年度(2017年度)から3回、試行調査として、「プレテスト」が実施されます。

今回は、プレテストの、気になる中身と、今後の大学入試改革の方向性について、

大学入試センター(独立行政法人)や、教育改革にまつわる各種委員会の先生方のお話を踏まえて、まとめました。

 

大学受験、気にはなるけど、お子様にはまだまだ先の話だったり、ちょっとお堅い話題だったりもするので、

コーヒーでも飲みながら、気楽にお付き合いくださいね~。

 

新しい「共通テスト」のプレテストとは?

プレテストとは、センター試験の代わりに始まる、新しい「共通テスト」の試行調査のことです。

実は、今までに2回、受験を終えたばかりの大学1年生を対象に、バイト代を支払っての、数百人規模の試行調査は、実施済みでした。

 

興味深いことに、第1回目の調査では、受験者本人の自己採点と、民間業者による採点が、半分ほどしか一致しなかったのが(受験者は正解だと思ったものが×をつけられた、または逆のケース。)、

第2回目の調査では、自己採点と業者の採点の合致率が9割近くまで上昇しました。

問題を作成する側と答える側、採点する側の、3者の整合性が、だんだんと取れてくるものなんですね。

また、マークシート方式での正答率が高い受験生は、記述式でも高得点を取ったそうです。

 

そのように、2回のプレ‐プレテストの結果をもとに、新しい出題形式である数・国の「記述式」の出題内容を見直し、

今度は、高校2・3年生への試行調査を、実施することになりました。

 

初年度となる今年、当初は、5万人くらいの参加者を想定して、トライアルの試験を作成していたようですが、

蓋を開けてみると、各都道府県の高校からの参加協力の申し出が多数あり、なんと、19万人規模で、実施されることになりました。

 

受験生と高校の先生方から、すでにあつい注目を集めているんですね!

 

まもなく明らかになる、プレテストの内容

 

このプレテストですが、高校3年生と、高校2年生では、受けるテスト内容が変わります。

 

高3向け:本番のセンター試験に近い形の、マークシート方式のみ。

高2向け:改革後の共通テストに近い形の、記述+マークシート方式。

 

プレテストですから、5教科すべて受けるわけではなく、1教科のみとなります。

高2は、出題範囲が限られていますから、受験科目は、国語と、数Ⅰ・Aの2科目。

その他の数Ⅱ・Bおよび理社科目は、高3生が受験します。

 

11月13~24日が実施期間となっており、試験内容は、12月にすべて公表される予定です。

いま、受験産業が、最も注目しているのが、高2生が受験する「記述+マークシート方式」の出題内容です。

 

英語は、11月ではなく、2018年2月に、高2生を対象に、再度、プレテスト参加協力の募集をかけるそうです。

ただし、英語に関しては、今後は、民間資格を活用し、大学入試センターが作る英語の試験は、今後6年かけて廃止する方向なので、

今後は、学校教育や塾、家庭でも、TOEFLや英検、TOEICなどの資格試験への対策が、重視されるようになるでしょう。

2020年の大学入試改革って?

 

2020年に実施される大学教育改革は、高大接続を進めて、学力と希望進路の調整をはかるという前向きな側面だけでなく、

少子化による受験者数の減少で淘汰される中堅以下大学の振るい分けという、シビアな側面も持ち合わせています。

 

それに、日本で長らく実施されている、各大学が独自に実施する「個別試験」制度に対して批判的で、

学力の3要素の評価手法を、「共通テスト」への一本化を図ろうとする教育界のお偉方も、少なくありません。

 

また、高3の8月以降に実施しているAO入試や、11月以降に実施している指定校推薦が、学力以外の能力を重視するあまり、学力が他の受験生の基準に達していない新1年生が、一定層、存在するようになったことへの批判もあり、

私立・国公立を問わず、AO入試や指定校推薦でも、共通テストを課すべき、という考えの方々もいます。

 

日本の大学入試制度が抱える問題は、出題内容が、21世紀型スキルに対応しておらず、古いままの知識評価型であることのみならず、

「入るのが大変で、卒業は楽勝」という、日本の大学の仕組みが、根底に流れているので、

抜本的な改革を目指している勢力はあるものの、色々な意見や利害(受験産業は正直なところ、現状維持が理想…)の調整に、今もって、時間がかかっているのが、現状のようです。

 

しかしながら、現状を憂いて、未来を案じている教育界の方々は多く、

共通テストでの学力評価 + 個別試験(AO、推薦、一般含む)での人柄評価

入るのが大変、卒業は楽勝の大学 ⇒ 入るのは適度に大変、卒業はしっかり勉強しないとできない大学

にシフトしていく時代の流れを、保護者のひとりとして、静かに見守っていきたいと思います。

 

小学生の親が今からすべき3つのこと

このように、2020年度の大学入試改革によって、アクティブ・ラーニングで培われる、「問題解決能力」や「他者との調整力」といった、知識評価型テストでは評価できない能力も問う、記述式を含む「共通テスト」が実施されることになりますが、

 

今まで以上に大事になるのは、小学生時代から、年齢に合った、学習の習慣を身につけることです。

 

  • さまざまなジャンルの読書と、漢字・慣用句の習得を踏まえたうえで、作文を書く力を鍛えること
  • 算数の基礎的な能力(数的・空間把握)を積み上げること
  • 英語への興味を広げ、読み書きだけでなく、楽しんで発語すること

 

この3点を、確実に身につけさせてあげることが、遠回りのようで、実はいちばんの、大学入試改革の対策になると思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。