リンダ=グラットン著の『ライフシフト~100年時代の人生戦略』を読んだ感想として、つよい危機感を持ったのは、自分の老後もですけど(笑)、やっぱり子供の将来のこと!
とくに、お金を稼ぐ能力は、今までの時代の考え方そのままで行ってしまったら、AIに仕事を奪われて、低賃金労働者まっしぐらになる可能性大。個人の経済力の源となる教育は、確実にこのままではいけない。
子育ても、戦略的に考え直す時代になりました!笑
では、寿命100年の人生戦略として、新しい時代の働き方に対応できるようにするには、子供たちには、どんなスキルを身につけさせてあげたらいいのか?
こんにちは、理系子育て案内人のなごみです。子どもを理系に育てようと一念発起したのは、この一冊が始まりでした。(ブログについて)
いくら個々人が危機感を持って、できるかぎりの変革と投資をしても、効果は限定的です。1人でも多くの子どもたちが、新しい時代に対応する力を持たなくては、いずれ日本は深い谷底に落ち、低迷してしまう。
世界各国で労働市場・教育環境の比較研究をしている著者が書いた『ライフシフト』を読むと、少子超高齢化が進む日本では特に、国をあげて学校教育が変わらなければいけない段階に、すでに来てしまっているように思えました。(なごみ感想)
教育の現場では、そのようなスキルが身につくようなカリキュラムが組まれているのでしょうか?気になるので、調べてみました。
国家百年の計ー日本がめざす教育改革とは
「人生100年時代構想会議(首相官邸、政策会議HPリンク)」が発案されるずっと前から、ここ日本では、大学受験改革と高大接続からおりてくる形で、小学校での教育改革(文部科学省による)が議論されてきており、その実施が、2020年に予定されています。
はやく来い来い、2020!!
[voice icon=”http://riketama.info/wp-content/uploads/2017/07/c221e976d15d360d2ca2204715b5b6c2.png” name=”なごみ” type=”r big”]
教育改革の5つの柱
理数、英語、プログラミング・ICT、アクティブ・ラーニング、運動
[/voice]
これらはいずれも、これからのAI・IoT化の進んだ社会を100年生きるのに、必要不可欠な要素です。
よくよくく見ると、「人生100年時代構想会議」で有識者にもなっているリンダ=グラットン氏が掲げる将来の仕事の内容とも、はからずやリンクしているものばかりでした。これはなごみ的には大発見です!
文科省がやろうとしている教育改革は、『ライフシフト』が予言する新しい世界の生き方・働き方に役に立つ内容だったんですね。
2020年小学校の教育改革の5つの柱
[btn class=”bg-yellow big lightning”]・理系への興味・素養を育てる
・小学校からの英語教育
・小学校からのプログラミング教育、ICT教育
・AL(アクティブ・ラーニング)の導入
・運動能力向上、体力増進[/btn]
これら5つの柱は、100年ライフを生きる子供たちが、最低限、身につけておくべき教養・スキルに、ぴったり当てはまります。
そのため、理系子育て案内人のなごみは、この的を射た教育改革に、大いに期待を寄せています。
理系への興味・素養を育てる
AI時代には、IT化の遅れなどから、これまで労働生産性が上がって来なかった日本の場合、今ある仕事の約半数はなくなり、コンピュータ、システム、ロボット等が、人間の代わりに業務を行うようになるそうです。
AI社会では、今の人間には想像もつかないような、新しい仕事が、どんどん生まれます。
その新しい仕事は、理系の素養がないと出来ないものがほとんど。今の子供たちにとっては、理数教育を身につけておくことが、今まで以上に、重要になります。
これは非公式ですが、某名門私立総合大学では、文系学部の募集人数を大幅に減らす方針が、すでに検討されています。
その代わり、ナノや医療など世界中が注力している分野の理系学部の募集人数を拡充し、また、日本の文化輸出に関する新学部を設立するなど、これからの仕事に必要とされる人材の育成にシフトしていくようです。
学生全員が理系科目を学ぶのが普通になれば、親より上の世代に染みついた「理系」「文系」という分け方が、なくなる日もそう遠くないでしょう。
そんな時代に生きる子ども達ですが、小さな頃から、身の回りにある科学に親が興味を持ち、子供といっしょに楽しんで生活の中に取り入れて行ったら、どうなるでしょうか?
自然と、子どもの心に、理系への興味が沸きますよね。大好きな親御さんとの遊びの思い出として記憶されたら、一生、理科が好きでいられることでしょう。
その子の興味に合った分野が見つかるまで、いろいろなものを試して、親子で一緒に学びながら、遊びをまじえて、好きなことに熱中させてあげましょう!
「理系子育て」のオススメ記事:
「AI社会を生き抜く!文系親が、子どもを理系に育てる10の方法(前編)」
「AI社会を生き抜く!文系親が、子どもを理系に育てる10の方法(後編)」
プログラミング教育、ICT教育
これから、子供たちが生きていく世界は、インターネットによって、世界中が個人レベルでも瞬時につながり、AIが普及して、今まで人間が行っていた反復作業を代わりにやってくれ、
新しい時代にマッチしたスキルを持った人材を、世界中の企業が獲得しようとし、低スキルの人材は、世界中の経済移民と低賃金の職を奪い合い、
富める者はさらに富み、持たざる者はさらに困窮し、格差が広がっていく。。。
と、未来学者の間では予測されています。なので、救済措置としてのベーシックインカムの議論が始まっているくらいです。
もしこんな未来が現実に訪れるなら、AI関連の職は増える一方です。
AIやロボットに指示を出すプログラミングスキルを持っていると、食べていける可能性が高まりそう。
小さい子供でも取り組める、プログラミング言語は、「Scratch」と「プログラミン」。
<関連記事> 小学校で2020年に必修化!ICT教育の要・子供向けプログラミング言語はコレ!!
うちの小1の息子は、自分でプログラミングした、ごく簡単なゲームやアニメーション動画で遊んで、ゲラゲラ笑っています。最初のうち、慣れるまでの数回は、親と一緒にやりましたが、遊びの延長にあるため、どんどん自分で進めるようになりました。3か月経った今では、親は、完成したものを見て、喜びほめる係。
ITの導入、ICTの活用は、もちろん、いい事ばかりではありません。マイナス面もあります。
現実問題として、ネット上での防犯対策の備えも、必要になります。
なごみ家では、学校では教えてくれない大切なことシリーズの「ネットのルール」という本を買って、小学生の子どもたちに読ませていますが、アプリ内課金の危険性、個人情報の流出防止策、SNSとのつき合い方など、私では叱り口調になってしまいがちで(笑)うまく説明しきれないところも、読みやすいマンガ形式で網羅してくれているので、とても助かっています。
デジタル情報は、一度オンラインで公になってしまえば、何年も、何十年も、消えることはないので、写真や住所、生年月日などの個人情報の取り扱いには、とくに注意が必要です。むしろ、隠したくなるような情報の方が、破竹の勢いで、日本中、いや、世界中に拡散されてしまう可能性だってあります。
正しい知識を小さいうちから身につけておけば、個人情報の漏洩や、blogやTwitterでの炎上事故を防ぐことができます。
また、将来、柔軟な働き方のひとつとして、在宅勤務を選びたくなった時に、
パソコンやネット環境の設定やトラブルシューティングを、自分ですることができれば、仕事環境を整えるという第一関門を、突破することができます。幅広い選択肢を自分に与えるために、ぜひとも困らないように、ICTの基礎知識は、身につけておきたいですね。
広い意味でITを使いこなす力、ICTリテラシーは、マストです。
なごみ家がリビングで使っている、タッチパネルもキーボードも両方あって、子供にも操作が簡単、起動が速いタブレットPCはこちらです!
・マイクロソフトSurface
英語教育
とある企業の社員としてキャリアを始めたとしても、国内のみで、日本人同士だけで回っていく仕事は、今後は稀だろうと思います。大企業のみならず、中小企業でも、顧客が海外にもいる、またはインバウンドの外国人も対象にしているというケースは、グローバル経済が成熟してきている今、避けて通れません。
取引先だけではありません。同僚も然り、です。
オフィスでは、隣の席に、アジア各国出身の同僚たちが座り、会議はもちろんのこと、ランチやコーヒーブレイクでも、共通言語としての英語が使用されるのが、国内でも珍しくなくなるでしょう。
そんなとき、ネイティブスピーカーと同じように、とまではいかなくとも、
相手に過度な気を使わせない程度に、英語を話せるようになっておくことは、人間関係を構築するうえで、とても重要なとこです。
翻訳や通訳は、AIが人間を超えるのが2024年と言われています。けっこうすぐですね。子どもはまだ、子供でいられる時代に、こんな大変化がやってきます。
でも、適切なジョークを言って、場の雰囲気を良くしたり、人間にしかできない、喜怒哀楽の感情を表現したり、共感したり、相手の意外性を楽しめるようなAIは、なかなか誕生しないことでしょう。Emotional Intelligent(EQ)の分野では、今後もしばらく、人間の競争優位性が保たれます。
よって、共通語である英語で、海外からの友達と笑い合えるくらいの会話力を身につけられる英語の教育環境は、整えておいてあげたいですね。
早期の英語教育に反対する声が古い教育界では多いようですが、世界的に見て、他の面ではすごく優秀なのに英語だけ不得意で損をしている民族は、かなしいことに日本人だけですから、
今までのやり方を変えて、英語の正しい発音を賞賛する雰囲気を小学校という公の場でつくっていくことは、新しいチャレンジだし、実施が楽しみでなりません!
みんな話せるのが普通で、「英語を話せるなんてすごいねー」「発音よくてかっこいいねー」なんて、特別言われなくなる日が来ますように。
アクティブ・ラーニング(AL)
「アクティブ・ラーニング」って、聞いたことありますか?「調べ学習」って言ったりもします。
なごみ家の長女の担任の先生がとても熱心で、前期の学校公開の授業で、実際にやっていました。
ディスカッションを通じて活発に意見をかわすアクティブ・ラーニング(Active Learning、略してAL)は、あなたのお子さんが、論理的思考能力や、オリジナリティあふれる面白いアイディアで、いろいろな国の人々と対等に、話し合ったり、仲良くなったり、仕事につなげたりしていくためのスキルを身につけるのに、最適な教育方法の一つと言えます。
調べ学習&発表を軸とした、アクティブ・ラーニングを小学校で導入することで、
自分と向き合い、他者と向き合い、自分の意見を発表するスキルと、他のひとの意見にも耳を傾けてグループでより良い結論を導くスキルを、効果的に身につけることができるとして、とても注目されています。
そうなると、先生の役割は、黒板に書いて教えることではなく、よりよい議論を導いたり、子供の動機づけをしたりすることに変化します。
教育改革=先生の授業のやり方が変わることになり、こちらも、今までのままではダメなんですね。ただでさえお忙しい先生たちですが、子供たちの未来のためにも、研修もがんばっていただきたいです。
大学入試改革の一環としても、アクティブ・ラーニングによって身につけた生徒の能力を、どのように測定・評価するか、その方法が模索されています。評価手法については、まだ検証段階で、はっきりとは決まっていませんが、これをのぞましい能力と定義して授業でやっていく以上、どうにかして、点数を付けなくてはいけません。それはつまり、大学入試のためです。
2006年以降に生まれた子供たちは、とくに、大学受験の時点で、影響があると言われています。
体力・健康
100年ライフって、100歳か、100歳以上まで生きるのが当たり前な、人生のことです。2007年に生まれた子どもは、107歳まで生きるようです。(『ライフシフト』(東洋経済新報社)より引用)
・・・長いですよね。
想像できますか? 107歳になったお子さんを。
100年も生きる自分を、養っていくには、相当なお金がかかります。必然的に、今までよりも、長い期間、働くことになるでしょう。
それは、「年金開始年齢の引き上げ」=「定年の再延長」を意味し、もしかしたら、70歳を過ぎても、80、90を過ぎても、人によっては、最期の日まで、普通に働かざるを得ないかもしれません。
となると、健康な体と心の重要性が、ぐっと増します。体力は、知力と並んで、経済力のみなもとです。
運動は、体を大きく動かすものであれば、なんでもいいので、その子が好きで、親御さんも安心して続けさせてあげられるものを、よく観察して選びましょう。
こころの健康も、知人・友人の身近な話として、たびたび見聞きするようになりました。慢性的な過労やストレスによって、精神的に病んでしまう方も少なくありません。
こころが傷ついたときの応急処置の方法を、小さな頃から身につけておくことで、精神的な回復力(emotional resilience)が鍛えられ、大人になってから、必ず役に立ちます。
手前味噌ですが、なごみは心がザワザワするときは、5分間の瞑想をすることにしています。Yogiでもある私には、瞑想が、ちょうどあっている方法のようです。
どなたでも、自分が一番いいと思う心を癒す方法を、持っていると思います。お子さんには、一生もののスキルとして、こころの応急処置の方法を、伝授してあげましょう。
お子さんを、小さな頃から鍛えて、ほめて、リラックスする時間も上手に持つことで、100年ライフの資本となる、健康な心と体をつくっていけるといいですね。
子どもが身につけるべき5つのスキル(まとめ)
[btn class=”bg-yellow big lightning”]1.理系への興味・素養
2.プログラミング教育、ICT教育
3.英語教育
4.AL(アクティブ・ラーニング)
5.体力・健康[/btn]
これら5つのスキルがひろく普及していけば、日本が、超少子高齢社会に突入してからも、世界で存在感のある国で居続けられるかもしれません。
文科省の教育改革はこれからスタート。保護者としてはハラハラドキドキしながら、今後も注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。
(この記事で紹介した本とタブレット端末)