お得なのはどっち?都立中高一貫校と名門都立高の偏差値

 

都立中高一貫校の高い倍率については、以前、こちらで記事にしましたが、

<関連記事>こんなに高い!都立中高一貫校の倍率と評判

 

都立中高一貫校の偏差値は、中学受験の全体図のなかで、大体、どのあたりに位置するのでしょうか?

 

また、高校併設の付属中学だと、同じ学校を高校から受験することもできますが、

高校から入る場合の偏差値は、中学受験をして入るより、高いのでしょうか?低いのでしょうか?

 

都立中高一貫校の志望者は、親御さんが公立優勢エリアの公立中高出身者が多いこともあって、高校までは公立の教育機関で十分と考えているご家庭も少なくありません。

よって、万が一、ざんねんだった場合は、他の偏差値の低い併願私立中高一貫校に通うのではなく、

地元の公立中学に進学して、3年後の高校受験にて、名門都立高・進学指導重点校などを受験して、リベンジする選択をする子も多いです。

 

その場合、中学受験で入りたかった中高一貫校の高校受験での偏差値がダウンしていたとしたら、

自分の偏差値が中受当時と変わっていなくても、上のレベルの高校に入れる可能性だって、あるわけです。

[voice icon=”http://riketama.info/wp-content/uploads/2017/07/c221e976d15d360d2ca2204715b5b6c2.png” name=”なごみ” type=”r big”]なぁんだ、中受より、高受の方がお得じゃん![/voice]

というわけです。

 

どんなに入念に準備をしたところで、毎年、大量の不合格者が出る、きびしい都立中受検ですから、

その先の、3年後の高校受験のことまで、考えに考えて、学校選び、はたまた、中学受検自体をどうするかという選択を、

慎重に、検討してまいりましょう~。

 

都立中高一貫校の偏差値

都立中高一貫校の偏差値は、男女の私立御三家や共学の大学附属校にくらべて、おおむね低いのですが、

倍率が異常に高いため、実際の受かりやすさという点では、偏差値が低いからといって、決して簡単ではありません。

[btn class=”bg big”]都立中高一貫校の偏差値 ≠ 受かりやすさ[/btn]

この点は、しっかりと理解したうえで、以下の、都立中高一貫校の偏差値のまとめをご覧ください。

 

では、大手進学塾の四谷大塚が発表している、2017年度の入試結果偏差値(外部リンクにとびます)をもとに、比較してみましょう。

 

都立中高一貫校と私立中の偏差値の比較

学校名(併設型は青)   偏差値

(私立・男子御三家)

開成            71

麻布            67

私立武蔵          64

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(私立・女子御三家)

桜蔭            71

女子学院          68

雙葉            67

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(都立中高一貫校)

小石川           64

武蔵高附属         64

桜修館           62

両国高附属         62

大泉高附属         60

九段(B・区外)       60

南多摩           60

立川国際          59

白鷗            59

三鷹            58

富士高附属         58

 

くらべてみると、名門私立にくらべて、都立中高一貫校の偏差値は、低い水準にあります。

2月1日に開成・桜蔭を受ける子が、2月3日に、小石川をすべり止めに受検する傾向が増えてきていますが、

偏差値は7スコアも低いのですから、安全圏と言え、併願候補に挙げられるのも、うなずけますね。




都立中高一貫校の併設型高校の偏差値

武蔵、白鴎、両国、富士、大泉は、都立中高一貫校のなかでも、高校を母体に、附属中学校が作られた形です。

よって、中等教育学校の小石川、桜修館、九段、三鷹、南多摩は、入り口が中学受験しかありませんが、

それに対して、併設型高校グループの武蔵、白鴎、両国、富士、大泉は、高校からでも受験可能です。

 

では、併設型高校・5校の偏差値は、名門都立高の偏差値と比較すると、それぞれ、どのあたりに位置するのでしょうか?

 

(注:高校受験の偏差値は、Vもぎの80%合格圏内(2017年版)を参考にしています。中学受験の四谷大塚発表の数値とは異なる母集団になるため、統計的に有為な比較対象ではありませんが、ご参考程度に、ご覧ください。)

 

都立中高一貫の併設型高校と名門都立高の偏差値の比較

 

学校名(併設型は青)    偏差値

日比谷            71

西              71

国立             70

戸山             70

青山             68

立川             67

両国             65

武蔵             64

駒場             64

富士             62

大泉             62

白鷗             60

 

注)で上述しましたように、四谷大塚の偏差値との単純比較はできませんが、

中学受験で入る場合の偏差値と、高校から入る場合の偏差値は、このように変化しました。

 

併設型高校の中学受験と高校受験の偏差値の比較

 

都立中高一貫校のなかでも、もともとある高校に中学をくっつけた、「併設型」の学校グループは、

中学受験と高校受験では、どのくらい、偏差値に差があるのでしょうか?

一覧にまとめましたので、ご参照ください。

 

学校名         (中学受検)     (高校受験)

武蔵高附属         64    →      64

両国高附属         62            65

大泉高附属         60               ↑        62

 

白鷗            59     ↑          60  

富士高附属         58            62

 

意外なことに、中学受験での偏差値よりも、高校受験での偏差値の方が高くなっている高校が、5校中4校もありました。

都立武蔵だけは、偏差値据え置きです。変わりません。

 

両国高校が、高校ではさらに偏差値が上がっているのは、面倒見主義の大学受験対策で、

大学の現役合格率が、都内で最も高い点が人気の理由でしょう。

 

ということで、都立中高一貫校の併設型グループの、中学受験での偏差値と高校受験の偏差値とをくらべると、

同レベルか、または、少しだけ、高校受験での偏差値が上がっていることがわかりました。

 

よって、中学受験で合格して入学しておいた方が、偏差値比較の上でも、お得と言えます。

 

ただし、中学受験では、非常に高い倍率をくぐりぬけなければなりませんし、

学校での内申点がいくら良くても、ペーパーテストの比重が高く、学業成績は、少ししか加算されませんので、

入試の出来だけでなく、内申点(プラスαで各種検定合格)を加味される高校受験の方が、受かりやすいでしょう。

現に、実質倍率は、日比谷高校でも、2倍もありません。

 

 

都立中高一貫校にしろ、都立高校にしろ、出口の難関大学合格者数が、翌年の入試の偏差値に影響を与えることは必至です。

今後も、都立中高一貫校卒業生たちの活躍ぶりから、目が離せませんね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。