中学受験しない組へ~小学高学年からの名門高校受験対策

 

中学受験はお金がかかる。

 

これは、少なくとも都内在住の当ブログ運営者・なごみの周りでは、まぎれもない事実です。

 

私立中学は、授業料やその他を含めた納入金が、年間100万円前後かかりますし、

私立中学に入るための小学4年生からの塾通いも、年間70~100万円ほどかかります。

小学校4年生から中学3年生までの6年間に、子ども一人当たり約500~600万円の支出が見込まれる計算です。

ちなみに、私立中高一貫校に通う子の多くは、中学受験が終わったら塾通いも終わり~。ではなく、

さらなる高みを目指して、もしくは、進度の速い私立校の授業についていくために、中学校に入ってからも塾に通います。

そのため、中学3年間、塾に通ったり家庭教師をつける場合は、個人差はありますが、さらに200万円前後の教育費がかかります。

[voice icon=”http://riketama.info/wp-content/uploads/2017/07/c221e976d15d360d2ca2204715b5b6c2.png” name=”なごみ” type=”r big”]6年間の教育費に800万円って、ひと財産ですよね。(;^_^A [/voice]

 

小学生のうちは友達と遊ぶ時間を大切にしてあげたいから、低年齢からの塾通いはさけたいという親御さんもいますし、経済的な理由から、中学受験をしないことを決める親御さんも、少なくないと思います。

 

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私自身、とある公立優勢のエリアで育ち、高校までずっと公立の学校でしたので、自分の子どもたちが、義務教育のうちから私学に通う必要性が、あまり感じられずにおりました。

 

しかしながら、公立小学校・中学校の勉強だけでは、2020年から順次実施される教育改革・大学入試改革に対応できないのではないか?と危惧する親御さんも、少なからずいらっしゃると思います。

そんなご家庭のために、小学5・6年生のうちから、変わる高校受験に向けて、大手進学塾が、高校受験対策講座を開講する動きが広がっています。

 

どう変わるの?大学入試と高校入試

大学入試では、センター試験に変わって導入される「共通テスト」で、英語は「読む・聞く・書く・話す」の4技能を問う問題になるため、解答はマークシートだけではなく、記述式も入ります。

民間の英語資格の取得が推奨されており、上位校をねらう層は、高3の12月までに、英検2級~準1級程度の英語の学力を、身につけておく必要性があります。

高校入試では、2020年からの教育改革により新学習指導要領が順次実施される過程で、新科目「理数探求」が設置されますし、

小・中学校でも、プログラミングを含むICT教育やアクティブ・ラーニングが、学校現場で浸透していき、評価方法が確立されていくのにともなって、

これまでの知識を問う形式のテストではなく、考え方のプロセスや、科目横断的な思考力が、問われるテストに変わっていくと言われています。

 

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小学生向け公立名門高校受験の対策講座

早稲田アカデミーとSAPIXと市進学院では、小学高学年向けの、高校受験対策講座を開設しています。

その背景には、学習指導要領の改訂によって、2020年度から小学5・6年生で英語が教科として導入される教育改革があります。

もうまもなく始まる2018年度からは、移行措置として、それぞれの行政区域で順次、外国語活動(=英語)の授業が小学3年生からカリキュラムに組み入れられることになります。

こちらの講座では、中学受験コースでは学ばない英語の科目もあるのが、一番の特徴です。

それに、中学受験コースと比べて、通塾の負担は大幅に減りますが、継続的な学習習慣を身につけさせるには、ちょうどよさそうです。




早稲田アカデミー

「公立中進学コース(Kコース)」で、小学校5年生から、国語・算数・英語の授業を展開。平日週2。月謝は、小5が12,500円、小6で13,800円。

 

SAPIX中学部

小学5年生の受け入れを、昨秋から開始。国語・算数・英語に加えて、小6からは理科・社会の授業も行い、難関公立校の5教科試験に対応する。開講している校舎は限られる。

小5は週1で、月謝が14,580円。小6は週2で、月謝が24,300円。

 

市進学院

「名門高校受験コース」を、この春から開講予定。小5は英国数の3教科、小6は理社を加えた5教科。

市進学院のウェブサイト(市進学院の名門高校受験コース、小5.6生向けのページにとびます。)には、詳細情報(開講教室、授業料など)はまだ載っていませんでしたので、お近くに市進学院がある場合は、問い合わせてみてくださいね。

 

小学校のうちから高校受験のことを考えるなんて早過ぎる~と思いますか?

低学年のうちは、そうですよね。でも、高学年になると、だんだんと、親の心境の変化が、多かれ少なかれ、あると思います。

地元の中学校の様子などを人づてに聞くようになると、だんだん他人事ではなくなってきます。笑

 

これからの教育の大きな変化に備えたい気持ちはあるし、働き方改革や税制改革といった社会的な側面からも、こういうニーズは増えるんじゃないかとも思いました。

共働きの世帯では、親が家庭でこどもの学習まで見てあげられないので、中学受験はしないけれども、子供の勉強はきちんとしたいという、教育熱心な親御さんのニーズにも、応えているからです。

 

中学受験か、高校受験か

うちを含め、都立中高一貫校を受験しようと考えているご家庭にとっては、いっそのこと、倍率7~8倍の競争のはげし過ぎる都立中受はあきらめて、

せいぜい倍率が2倍強の都立高校受験に的を絞り、こういった高校受験対策講座に、小学高学年のお子さんを入塾させる方が、もしかしたらいいのかもしれないと、なごみは思いました。

 

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そうすれば、貴重な小学校時代に、夏期講習漬けの夏休みではなく、家族でキャンプをしたり、友達や遠方の親戚と遊んだり、旅行したり、時間もお金も、自由に使うことができます。

新学習指導要領で問われる「思考力」や「表現力」といった能力は、机に向かう勉強だけからではなく、アートやスポーツ、自然とのふれあいの中でも、育まれるものだからです。

それに、中学受験対策に時間を割かなくてはいけないうちは、これから必要性の増す「英語」の勉強時間を確保するのは、至難の業ですが、高校受験対策コースなら、英語を定期的に学ぶことができます。

 

高校の授業料無償化には頼れない

高校の授業料が実質無償化される就学支援金制度が2010年度に開始されましたが、

2016年度から所得制限が課され、世帯年収910万円以上(厳密には、市町村民税所得割額が30万4,200円以上)のご家庭のお子さんが私立高校に通う場合、授業料は全額かかります。

この「世帯」年収というのがミソで、都内在住で夫婦ともフルタイムで共働きのご家庭なら、この所得上限を超えるケースもありますよね。ふるさと納税で所得税額を減免させる裏技もありますが、それでも限界はあります。

よって、年収1000万円超え世帯は、高校の授業料は、私立でもかからないから大丈夫~、と安心するのは、禁物です。

大学・大学院でも教育費は大きくかかりますので、計画的に貯蓄をすることで、将来の安心と可能性を買うことができます。

 

まとめ

大手の進学塾、早稲アカ、サピ、いちしんが開講している、小学高学年向けの、名門高校受験コース。

中学受験をしないと決めたご家庭はもちろん、

都立中高一貫校の受検対策をしているけれど、じつは迷っているご家庭も、お子さまの学習サポートの選択肢として、

また、共働きのご家庭では、学童には入れない高学年のお子さまの放課後の過ごし方の選択肢として、

このような高校受験対策講座は、検討する価値が十分にありそうです。

 

二度と戻って来ない、子供がこどもでいられる宝もののような時間を、どのように過ごすのか?

 

受験勉強は決して無駄にはなりませんが、苛烈な中学受験競争で、親子で疲弊して、教育費もかかるけれど、名門校という理想的な教育環境を手に入れるのがいいのか、

それとも、

公立高校受験に照準を当てて、地元の公立中に進学することを決め、小学校時代は、将来の教育費を貯めながら、ちょっとずつ勉強しながら、家族の時間を大切にして、自然や余暇を楽しむ活動をするのがいいのか、

 

答えは、人それぞれだと思います。

それぞれのご家庭にあった最善の方法が見つけられるといいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。